なぜ日本人がスイスで安楽死?自殺ほう助とは何?

安楽死

自殺ほう助という形で最期を迎えた2人の日本人

YahooニュースやSwissinfo.chではスイスにて最期を迎えられた日本人男女の記事が取り上げられていました。なぜお二人はスイスまで足を運び亡くなられたのか、また、記事に出てくる自殺ほう助とは何なのかお話していきます。下にお二人の記事のリンクを掲載致します。

2024年3月17日、スイスにて最期を迎えた日本人パーキンソン病の女性。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8bb2d6cf595ffedc5bfdf45ad29546aca08b0474

2021年11月6日、運動神経難病ALS疑いでスイスで安楽死された男性。

https://www.swissinfo.ch/jpn/business/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%A7%E5%AE%89%E6%A5%BD%E6%AD%BB%E3%81%97%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%8C%E6%9C%80%E6%9C%9F%E3%81%AB%E4%BC%9D%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%93%E3%81%A8/46897376

そもそも自殺ほう助とは何か?安楽死とはどう違うの?

安楽死とは=自殺ほう助と積極的安楽死に分類される。

自殺ほう助とは、医師が処方した致死量の薬物を患者自身が体内に取り込んで死亡すること。

積極的安楽死は、医師など第三者が直接、患者に薬を投与する。例えば四肢の麻痺などで、自ら点滴のバルブを開けることができない人でも命を絶つことができる。

スイスでは、積極的安楽死は法律で禁止されているが、自殺ほう助は認められており、医師から処方された致死薬を患者本人が体内に取り込んで死亡する形となる。

どんな人が自殺ほう助の対象になるのか?

自殺ほう助を受ける条件は団体によって若干異なるが、大まかには以下の通りとされています。

  • 治る見込みのない病気
  • 耐え難い苦痛や障害がある
  • 健全な判断能力を有する

治る見込みのない病気とは、癌や脳血管疾患・認知症などの他に最初で紹介した記事のようにパーキンソン病ALSとした指定難病が含まれます。スイスでの年間の死者数は1500人に。

https://www.swissinfo.ch/jpn/business/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9-%E5%AE%89%E6%A5%BD%E6%AD%BB-%E7%8F%BE%E7%8A%B6/45931282

なぜ日本人はスイスで自殺ほう助を選択するのか?

日本では安楽死は犯罪となる。

”現在の日本においては、安楽死・尊厳死は合法化されていない。もし、患者本人が真摯に死を望んでいたとしても、患者の要望に基づいて殺害し、または自ら命を絶つのを援助する行為は、自殺関与・同意殺人罪(刑法 202 条)に該当する。”とされています。

https://www.okayama-u.ac.jp/user/law/up_load_files/freetext/law_course_chart/file/seminar3.pdf

記憶に新しいですが5年前、難病指定疾患であるALS女性に対して本人からの依頼を受け薬物を投与して殺人した罪で被告の医師に対し懲役18年の判決が3月5日に下されました。日本での安楽死はいかなる理由があろうとも犯罪です。

スイスでの安楽死を選ぶ理由

世界では10カ国以上の国・地域で自殺ほう助が認められているが、スイスにはライフサークルと呼ばれる自殺ほう助団体が存在しており、他国からの志願者も受け入れています。そのため自国での希望が不可能な志願者も多く集まるそうです。ライフサークルは不治の病で苦しむ人らへの自殺ほう助を行う団体として2011年に設立されました。

現在は・・・?

2022年11月1日付で新規会員の受け入れは終了されていた。

スイスの自殺ほう助団体ライフサークル代表で医師のエリカ・プライシヒ氏(64)が新規会員の受け入れを終了したとされており、今後は既存会員の支援に注力するとの記載となっております。会長の定年が理由としてあるようです。

https://www.swissinfo.ch/jpn/society/%E8%87%AA%E6%AE%BA%E3%81%BB%E3%81%86%E5%8A%A9%E5%9B%A3%E4%BD%93-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AB-%E6%96%B0%E8%A6%8F%E4%BC%9A%E5%93%A1%E3%81%AE%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%82%92%E7%B5%82%E4%BA%86/48022564

最後に

皆様、安楽死についてはどうお考えでしょうか。人の生死への考え方は千差万別でありセンシティブな問題です。親子問題の他にも金銭面や宗教上側面の問題もあるでしょう。自分がもし、不治の病を患った立場だとしたら個人的には人工呼吸器をつけてまで生かしておいてほしいとは思えませんでしたし、残された家族に膨大な金額をかけさせてしまう事もしたくないです。

先日、長野県の成田山参道にある、ぴんころ地蔵尊に参拝してきました。お地蔵さんの名前は、健康のまま天寿を全うする意味の“健康で長生きし(ぴんぴん)寝込まず楽に大往生する(ころ)”をヒントに命名されたそうです。多くの参拝者がいるそうで、健康寿命という言葉がありますが、やはり自分がしっかり動けて、しっかり判断出来るうちに健康に人生を楽しみ、安らかに最期を迎えたいと願う方が多くいらっしゃるんだなと感じました。

http://pinkoro.com/publics/index/76/

安楽死については賛否両論あるかとは思いますが、自分としては最後の1つの手段としてあるべき存在だと思いました。ぜひ皆様の声もお聞かせください。


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