バルーンカテの尿漏れ!主な原因と改善方法とは?

膀胱留置カテーテル

はじめに

患者さんや利用者さんにバルーンの管が入っているのにオムツ内に失禁している・・・。こういう経験皆さんありませんか?この場合、もちろんバルーンの入れ替えが必要となるケースもありますが、これから紹介する方法で改善する事もあります。基本的に臨床視点で記載していきますが、新人Nsさんや一般の方でもお分かり頂けるようにお話していきますのでよろしくお願いします。尿漏れや直ぐに出来る改善方法を把握しておきましょう!

そもそもバルーンって?何故入れるのもの?

バルーンとは略語で膀胱留置カテーテルの事を指します。病院の他、施設や在宅でもBaを挿入されている患者がいらっしゃいます。頻尿や排尿障害といった機能的問題の他、骨折や術後などで自らトイレに行く事が出来ない方も対象となります。また、尿量や尿性状を正確に把握したい方など(オムツに失禁してしまうとml単位の正確な尿量把握が難しい・また、尿性状が把握出来ない。)も留置の対象となります。

尿漏れの原因

尿漏れの原因は多くありますが、日常的によく見受けられるのは以下のような点です。        1.腹圧がかかる体勢となっている。2.尿汚染・混濁が強い 3.留置カテーテルが引っ張られている。4.最終入れ替えから日数が経過している 5.カテーテルのサイズが細い。

改善方法

1.座位や立位を取っている状況では腹圧がかかりやすく、尿漏れに繋がりやすいのでなるべく安静の姿勢を取っていく。

2.カテーテル内をよくみて混濁がつよければ閉塞リスクが高い。脱水傾向で尿量が少なかったり、尿路感染症にとなっていると、尿が濃かったり混濁してしまう。いずれにしても飲水を促したり病院ならば補液をしてもらうなどして尿量を確保する必要があります。また、一時的な詰まりの解消法としては生理食塩水で膀胱内をフラッシュ・若しくは膀胱洗浄といった方法がありますが、膀胱内は無菌であり感染リスクが少なからず発生してしまうのでお勧めは出来ません。

3.カテーテル自体が何かの下敷きになって閉塞していたり、どこかに引っかかって引っ張られている、または畜尿バック自体の重みで引っ張られている、このような状況では尿漏れに繋がってしまいます。チューブが折れていたり閉塞の原因となるものを除去しましょう。その上でカテーテルが引っ張られてしまわないように固定テープで留める必要があります。

女性の場合は、カテーテルにゆるみを持たせて腹部に固定し、ループを描くようにして足側にチューブを戻し、さらに大腿外側でも固定します。

男性の場合は、尿道が弯曲しているため、カテーテルで摩擦を起こしやすいという特徴があります。そこで、屈曲を除くために陰茎を頭部側に向けた状態で腹部でチューブを固定し、女性と同様に大腿外側も1 カ所固定します。

持続導尿の際にチューブを腹部に固定するのはなぜ?|導尿 | 看護roo![カンゴルー] (kango-roo.com)

4.古いカテーテルを留置したままというのは衛生上よくありません。また、カテーテル内に浮遊物がこべりつき閉塞するリスクも高くなってきます。トラブルが無くとも1か月程度を目安に入れ替えるようにしましょう。尿路感染を防止する事にもつながります。

5.浮混濁・浮遊物や血尿が原因となり尿漏れを起こしている場合にはカテーテルのFr数を上げる(太くする)事で閉塞を防止することが出来ます。

尿漏れ起こさないために出来る事

基本的には上記の対応で尿漏れ時の対応は出来るとは思いますが、その時だけ改善しても漏れの原因となっている根本を改善しなければ近々また同じく漏れが生じると思います。原因となっているのが脱水や感染症からなのか、チューブ自体が古いものなのか、その辺りを明確にして早い段階で対処していく事が重要となってきます。


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