突然肝機能が上昇。入院予定で動画配信を休止に。
みなさま、筋肉系Youtuberことぷろたんをご存知でしょうか。ぷろたんは210万人の登録者数を誇る人気Youtuberです。3月19日に投稿されていた動画で、肝機能が悪く入院する予定である事を明かしていました。血液検査の結果でALTやASTといった肝臓の数値が上昇したようですが、この数字が上がる事はどういう事なのか、他の検査項目と併せて解説していきます。
ぷろたんは以前にも入院歴あり。扁桃腺を摘出していた過去も。
ぷろたんは2021年7月17日にも動画投稿を休止しており、1カ月半ほど入院されました。長期に及んだ入院生活でしたが、自己免疫疾患・膠原病の可能性が高い事は分かったが確定した診断は付きませんでした。また、扁桃腺の免疫数値に異常が出ていることがわかり、扁桃腺摘出術も受けています。この入院の際には全身の焼けるような痛みと嘔気があると訴えていました。医者からは今後もなる可能性があるとも言われていた様子。
自己免疫疾患・膠原病とは?
自己免疫疾患とは、体の特定の臓器に自己免疫が起きる「臓器特異的自己免疫疾患」と、体の様々な臓器に自己免疫がおきる「全身性自己免疫疾患」とに分けられ、膠原病とは後者の「全身性自己免疫疾患」に分類されます。体の外から入ってくるウイルスや細菌などの異物を排除する働きのことを「免疫」と呼びますが、この「免疫」の働きに異常が起こり、誤って自分の体のある部分を敵だと思って攻撃してしまうことを「自己免疫」と呼びます。
https://osaka-cu-rheum.jp/docs/treatment/magazine01_2109.pdf
代用的な例としては関節リウマチや全身性エリテマトーデス、シューグレン症候群などに分類されます。
今回の入院理由・AST/ALTの上昇とは?その他血液データは?
動画撮影は3月18日で、症状は3月7日頃より出現。悪寒・倦怠感・嘔気・頭痛・微熱があり、朝になると連日嘔吐し夜になると寛解といったサイクルを繰り返しているようです。インフル・コロナは陰性。受診した病院での血液検査では筋トレしていない状態でALT・ASTの上昇がみられており、急性肝炎の恐れがあると医者から言われたようです。恐らく精査目的での入院予定となり肝生検をして診断をつけていくものと思われます。以前にも膠原病の疑いで入院されていたぷろたん。
急性肝炎の可能性・急性肝炎の種類とは
膠原病を以前から指摘されていたという部分や、ALT・ASTの上昇・倦怠感等の症状に関しては、自己免疫肝炎の可能性もありそうですが、今回は急激にALT・ASTが上昇し続けている事からやはり急性肝炎が1番疑わしそうです。急性肝炎の場合は原因としてウイルス、アルコール、脂肪肝、薬剤、自己免疫があります。自己免疫の可能性もありますが、嘔気嘔吐を繰り返しているなどの症状からウイルス性が疑わしそうです。いずれにしても抗体検査も不明であるため正確な診断は入院で諸々検査をしてからと思われます。
ウイルス性肝炎のうち、A型やE型は経口感染であり、ウイルスに汚染された水、食物を介して感染します。B、C、D型は血液、体液を介してウイルスが体内に入り込むことで感染が成立します。急性肝炎は一般的には経過が良好な疾患ですが、約1~2%の患者は劇症化し、一度劇症化すると高率に死に至る可能性が高くなり、肝臓移植治療が必要となることがあります。
https://hyo-kanshikkan.com/faq/acute/#:~:text=%E6%80%A5%E6%80%A7%E8%82%9D%E7%82%8E%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%89%B2%E3%80%85,%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%92%E5%91%88%E3%81%99%E3%82%8B%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
A型とE型
症状が類似しており腹痛、食欲不振、全身倦怠、発熱、悪心、嘔吐、黄疸、尿が黄色くなるなどの症状があります。血液検査では肝臓の機能障害を反映してAST、ALT、LDHの上昇(数百~数万単位)、総ビリルビンの上昇、γGTP、ALPの上昇が認められます。https://www.pref.aichi.jp/eiseiken/67f/hev.html
B~E型
B~E型に関しては血液感染や性交渉による感染が認められます。血液検査ではやはりA型などと同じくALT、ALT等の上昇が認められます。血液感染はよほどの事がない限り、医療従事者の針刺し事故など血液暴露がメインで起こります。そのためこちらの肝炎の場合は感染源は性交渉がメインとなるケースが多くなります。
AST (GOT)、ALT (GPTとは
肝炎を発症しているかどうか、また生じた肝炎の程度を調べるには、AST (GOT)やALT (GPT)の血液検査を行います。これらは肝臓の細胞の中にある酵素で、細胞が肝炎で破壊されると血液中に出てきます。正常値は施設によって異なりますが、40~50 U/L未満が目安となります。急性肝炎、慢性肝炎の時AST、ALTは異常高値となります。AST、ALTが高ければ高いほど、肝炎の程度は強いと言えます。一般にAST、ALTの数値が高ければ高いほど、肝炎を患った期間が長ければ長いほど、肝硬変になりやすいといわれています。B型慢性肝炎の患者さんの中には、20歳代から激しい急性増悪を繰り返し、比較的若い30、40歳代で肝硬変に進行することもあります。https://www.kanen.ncgm.go.jp/cont/010/b_gata.html
総ビリルビンとは
急性肝炎あるいは肝硬変で肝臓の機能が著しく低下すると黄疸が出現します。この黄疸の程度の指標になるのが血清ビリルビン値です。正常値は0.2~1.2mg/dL以下で1.5mg/dL以上になると眼球結膜あるいは皮膚が黄色くなる「黄疸」が出現し始めます。https://www.dock-tokyo.jp/results/liver-function/t-bil.html
yGTPとは
γGTPは、肝臓の解毒作用に関係する酵素で、「肝臓病」のほか、「胆道系(胆管から胆のうを経て十二指腸に至るまでの胆汁の通り道)の病気」があると、検査値が上昇します。基準値より高い場合に考えられる病気は、「急性肝炎、慢性肝炎、アルコール性肝障害、薬物性肝障害、肝硬変、肝臓がん、胆道疾患(炎症、結石、がん)、膵臓がん」などです。ただし、ほかの肝機能検査で問題がなく、γGTPの値だけが高い場合は、「過度の飲酒」が原因と考えられます。また、「長期間の薬の服用」で、数値が高くなることもあります。http://www.sendaisangyo.jp/pages/28/
LDH(LD)とは
LDH(乳酸脱水素酵素)は、体内のブドウ糖がエネルギーに変わるときに働く酵素で、体中の多くの組織に存在しています。そのため、検査値が高くても、どこに異常があるのかは特定できません。しかし、LDHには、分子構造の異なる五つの種類があり、そのうちどれが上昇しているかを調べれば、病変部位を推測することができます。基準値より高い場合は、「筋肉疾患、溶血性貧血、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、心筋梗塞、がん」などが疑われます。http://www.sendaisangyo.jp/pages/28/
ALPとは
ALP(アルカリ・ホスファターゼ)は、肝臓のほか、骨、腸、腎臓など、多くの臓器に含まれている酵素で、これらの臓器が障害を受けると、血液中に漏れ出てきます。また、ALPは、主に胆汁中に排出されるので、「胆道の閉塞」があっても検査値が上昇します。基準値より高い場合は、「急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆道疾患」などが疑われます。http://www.sendaisangyo.jp/pages/28/
ぷろたんって何歳?最後に。
ぷろたんは1989年生まれの34歳です。年齢も若く、フィジーク等大会にも出場しており食生活にも気をつかっている様子でありました。病気が先天性のものであるかは分かりませんが、しっかりと診断されて治療が完了し、普段通りの元気なぷろたんが動画に戻ってきてくれる事を深く望んでおります。
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